「それが許されることと、それができることの差です。気づかれたら困る、自分が誰だか見破られたら困る……、だから黙らせる、だから首を絞める、だから殺してしまう。だから、だから、だから、という理由で人はどんどん堕ちていく。人でなくなっていくのです。思い出しなさい。考えましたか？　殺したら、もとに戻らないのよ！」紅子は無表情のまま叫んだ。「どうするつもりだったの？　いったい、どう考えていたの？　彼が死んだら、どうやって生き返らせるつもりだったのですか！」

森博嗣. 六人の超音波科学者.

Vシリーズで一番印象に残っている言葉かもしれない。

崇高な思考も、他を想像せず、それを達成するためには何をも許されると勘違いするなら、暴走と代わりない。わたしも自分を戒めていきたいところ。
少し、カーディアス・ビストのネオジオンへの発言とも近いかもしれない。

この発言で、瀬在丸さんを一気に人として好きになった。